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ヴァティカン編
ヴァティカン博物館
早朝からヴァティカン博物館の入り口に並んで開館を待った。この季節(オフシーズン)でもフリーのお客はかなり待ち時間が有るとのこと。私達は予約しているのでほとんど待つことなく入館できた。
ピーニヤ(松かさ)の中庭で全体の説明を聞いた後「何とかの間」「・・・」「ギリシャ十字の間」「彫刻の部屋」等を通った。
大燭台、タペストリー、地図等のギャラリーの長い通路を進む。
さすがに歴代の法王が財力を注ぎ込んで集めただけあって絵画とは違う興味をそそられる。
古代ギリシャ的彫刻(裸の男)はほとんどがイチジクの葉?で局部を隠している。当初彫刻は性器を作っていたそうだが何代目かの法王が卑猥な物を隠す為修復したのだそうだ。(ダンブラウン著の「天使と悪魔」によると)
タペストリーの中に描かれたテーブルが見る方向によって動いているかのような錯覚に晒される。また、天井や扉の上部に描かれた絵は立体感のあるものでまるで彫刻のようである。
システィーナ礼拝堂
続いてシスティーナ礼拝堂へと進んだ。ここは撮影禁止だ。数年前コンクラーベ(法王選挙)が行われた所だ。
ヴァティカン美術館の最高傑作と言われているミケランジェロの天井画(フレスコ画)は圧巻だった。天井一面の画はそれぞれ物語りになっており首が痛くなるほど眺めていても飽きない。よくも4年も掛けて天井を見上げて描いたものだと感心させられる。4つの側壁にもボッティチェッリやギルランダイオ達が担当した「モーゼ伝:旧約聖書」「キリスト伝:新約聖書」のお馴染みのお話が描かれている。
祭壇の奥の側壁はこれまたミケランジェロの「最後の審判」が描かれている。鮮やかなブルーを背景に左側は祝福されて昇天していく者たち、右側は地獄へと落とされる罪深き人間達である。この画を見ていたら日本のどこかのお寺のお釈迦様の画の中に描かれた構成とよく似ている。宗教は違っても人間の考える事は同じなのだと感じた。
サン・ピエトロ広場
システィーナ礼拝堂で15分程度自由に鑑賞してサン・ピエトロ寺院の門前広場へ出た。
広場中央にはオリベスクが青空を突き刺すように建っている。ローマ最大の広場で幅240m、長さ340mの楕円型で左右には円柱が威厳を持って林立している。円柱廊の上には140体の聖人が立っている。
サン・ピエトロ寺院
広場へ出る前にカトリック教会の総本山サン・ピエトロ寺院内を見学。
バロック様式の代表的な建物で凸凹のある複雑な構造やぜいを極めた華美な彫像や豪華絢爛な内部装飾が施されている。
例の小説「天使と悪魔」によるとこの寺院の下には古代ローマ時代の共同墓地があり、今でも地下(墓地)に降りて行く事が出来るそうだ。聖ペテロの墓は祭壇の真下に位置しているという。
入り口を入って直ぐ右側のガラスの向こうに白大理石の彫像「ピエタ」がある。ミケランジェロ25歳の時の大傑作だそうだ。中央に進むと右手にブロンズの「聖ペテロ像」がある。その右足は信者や見学者がキスをしたり触ったりするので磨り減って指の窪みが無くなってつるつるになっている。他「・・・の墓」が沢山ありどれも大理石の彫像で素晴らしいものだ。
「ブロンズの天蓋」がクーポラの真下に位置し、「聖ペテロの椅子」が祭壇の一番奥に置かれ中央から黄金の光と共に鳥が羽ばたこうとしている。なんとも言えず荘厳でキリスト教信者でなくても神秘的で祈らずに居られない感覚に陥る。
左には地下遺跡に下りる入り口があり一部は一般公開しているらしい。

実際に見た印象は「百聞は一見にしかず」で言葉に表せない素晴らしさで感嘆した。
人間の権力と英知と信仰心により創られ、人々から信仰され、結果として世界的文化遺産となり後世に残る。
これからも大切に保存していきたいものだ。
しかし、これからの時代にこのような芸術的価値の高い文化遺産は創造出来ないような気がするのは私だけだろうか??

ピーニヤ(松かさ)の
彫刻

床にはめ込まれた
色彩豊かなモザイク画

地図の間

サン・ピエトロ寺院
内部正面

ブロンズの天蓋
ベルニーニ作

聖ペテロの椅子
ベルニーニ作

アレクサンドル7世の墓

カトリック教の総本山
サン・ピエトロ寺院
正面

法王庁
法王の執務室は
最上階右から2つ目窓

サン・ピエトロ広場の
オリベスク